遺産相続の問題でよくありがちなのが、亡くなった方(被相続人)が遺言書やエンディングノートを書いていて、
「遺族以外の人に相続をする。」
とか
「遺族の内、一人だけには渡したくない」
などが書かれていた時ではないでしょうか。
もし、渡さないと言われたのが妻や子供だった場合、愕然としてしまうでしょう。
そんな時、遺留分として請求をして遺産の一部は取り戻すことができます。
生前贈与と遺留分
遺留分の請求ができるのは、遺産だけではありません。
生前贈与(生きているうちに渡した財産)に対しても制限はありますが、請求をすることができます。
内容としては、相続開始前1年以内に贈与された財産は遺留分減殺請求の対象となります。
また、損害を与えるという意図で贈与した場合は期間に関わらず遺留分減殺請求の対象となります。
このように、遺留分の抜け道を突こうと生きているうちに全ての財産を贈与したとしても、遺留分の請求ができる制度になってるんですね!
遺留分減殺請求をされたら
遺留分は相続人に保障された権利なので、相続人から請求をされたら拒むことはできません。
ただし、相手方の要求がどう考えても過大である場合や、不動産や未公開株など、評価が一定ではない財産が相続財産に含まれている場合、査定を行い相手方の要求に根拠がないと立証ができれば、請求を拒むこともできます。
また、請求が認められた場合、現物で返還することもできますし、自分の資産の中から現金や不動産で支払うこともできます。ケースバイケースで使い分けた方が良いでしょう。
最後になりますが、遺留分減殺請求権には「相続の開始及び減債すべき贈与又は遺贈があったと知ったときから1年で時効成立」という法律があります。
時効が成立しているケースも多くあるようですので、アクションを起こす前に、一度、専門家へ相談するのが安心でしょう。